ACN養殖概況

<マダイ>
マダイ相場は2006年4月頃から上昇を見せ初め、8月には1,000円/kg、10月には1,200円/kgに。その後も現在まで1,000円/kg近い高値での取引が続いている。韓国向け輸出は引き続き堅調で、これにより国内市場も引き合いが強くなっているものの、この様な高値も品薄傾向が続くのは2007年夏迄との見方もある。
また、生産状況は、2006年夏期に各地でイリドウイルスによる被害が多発し、地区によっては2歳魚にまで感染するほど大きな被害を及ぼした。しかし、昨シーズンの種苗導入が一昨年より13%前後(昨年5,500万尾、一昨年4,850万尾)増加していたこともあってか、ほぼ数は充足している模様である。2歳魚については、エドワジェラ・タルダが慢性的に発生しているが、これといった対処方法が無く、品質低下要因の1つとなっている。
2007年春の種苗導入数は現在の相場継続期待或いは、ブリなどからの魚種転換により増加するものと思われる。

<トラフグ>
トラフグ相場は10月頃までキロ物で3,000円/kg近い相場であったが、11月から大きく低下し、12月~現在ではキロ物で1,500円/kgまで下落している。この原因としては、天然物が豊漁であった事や、中国からの輸入、暖冬の影響で消費が伸びなかった事等、様々な要因が重なった結果ではないかと見られている。更に、この様な相場であることから、出荷に際しても、肉質や白子の割合等の“出荷魚の品質”に対する要求が厳しさを増している。
一方、疾病面においても、ヤセ症や寄生虫(ヘテロ、トリコジナ、カリグス)等の被害が相変わらず多発しており、歩留まりは海面で60~70%程度に留まっていると見られる。

この様な中で業者の生産意欲は低下しており、海面ではトラフグ導入量を減らし、マダイ等、他魚種の割合を増やす可能性もあると思われる。

<ヒラメ>
永らく1,200~1,400円/kgが続いたヒラメ相場は円安ウォン高、韓国内での需要増等により2006年4月以降上昇し続け9月には2,000円/kgを超えるまでになった。しかしながら11月からの国内ヒラメの出荷開始とともに品薄状態は緩和され、その後は徐々に下がって12月末で1,700~1,900円/kgとなった。このような好相場を反映して一時期ヒラメからトラフグに魚種転換した陸上養殖業者も再びヒラメに戻ってきており韓国ウォンと日本円レートがこの状態が続く限り浜値は堅調に推移すると思われるためヒラメ養殖業者は久々一息付つけそうな模様である。

<ハマチ>
2006年度のモジャコ導入数は、2,157万尾と一昨年度を若干下回っており成魚相場は夏頃より回復し一時800円/kg台まで上昇したが、新物の出荷が始まるに連れ下落し、現在600円/kg台で推移しています。しかしながら、各業者早期出荷の傾向が強く、出荷時期が以前のような年末集中型ではなく、分散化しているため、在庫は減少しており相場は回復に向かうものと思われる。昨年は、モジャコの不漁、採捕サイズが小さかったことなどが影響し、モジャコの成長は例年に比較し遅れている模様である。

<カンパチ>
カンパチ養殖では、一昨年アニサキス問題があり、その影響を受け昨年の4月から5月にかけ在庫が不足し、浜相場は一時期1,400円/kgまで上昇した。その後、7月より新物の出荷が始まったが相場は、1,200円/kgと堅調に推移していたが、相場上昇により消費が減退したためか10月ごろより荷動きが鈍くなり、年末には800円/kgを下回る状況となり現状は再び活発な荷動きとなっている。カンパチは夏場商材で冬場はハマチへ切り替わるため、今後ともこの傾向が続くと思われる。魚病については、昨年は例年に比較しハダムシの寄生が少なかったようだが、ノカルジア症による斃死は増加した。特に錦江湾では低水温期を迎えても本症の羅病魚が多数観察され、早急なワクチンの開発が期待されるところである。

以上

PAGE TOP