養殖用種苗生産中間速報-2004年9月~12月ACN速報-

養殖用種苗生産中間速報(2004.9~12) ACN・速報 2005.1.12
1.マダイ
在庫減少でも成魚価格は弱含み
昨秋の度重なる台風の来襲によりカンパチ、ハマチ同様マダイも被害を受け特に中間魚の減少が目立ち10月下旬には久しぶりに中間魚の引き合いが活発となり成魚浜値も1昨年同時期より100~150円高の630円/kgを付けたが年末が近づくにつれ成魚価格は弱含みとなり種苗生産熱に水を差した形となった。年間種苗出荷尾数は1昨シーズン5,000尾、昨シーズン4,000万尾と減少し在庫調整は確実に進み成魚価格は底を打っており種苗の需給はバランスのとれた状況と思われる。
種苗生産は近畿大学、山崎技研、ヨンキュウなど15社が例年通り昨年内(2004年12月)に開始し年明けにかけて順次沖だし中である。

2.トラフグ
昨シーズンとは一転、年内出荷無し
年内(2004年10月~12月)のトラフグ種苗生産業者は大島水産種苗はじめ7社であった。昨シーズンは年内40万尾出荷されたが、今シーズンはほぼゼロであった。年明けの出荷予定尾数は55万尾(1月12日時点)である。
このように低調となった原因は養殖業者から予約を受け年内出荷予定で生産したものの、中国産トラフグ(7~800gサイズ)の輸入増加の影響で国産の動きが悪く、海面・陸上共に生け簀が空かずキャンセルや延期が続出したためである。
価格は昨年同様、超早期もの7cmupで浜値105~110円(歯切り+10円up)で販売される模様である。今シーズンの稚魚出荷ピークは昨年同様4~5月になりそうである。
中国産トラフグは大型活漁船(500G/Ton)で一度に約5万尾搬入され国内生け簀で一旦蓄養されて順次出荷されているが当たり外れはあるものの総体的にサイズ、肉質とも向上して来ており浜値も2,000円/kg以下であり国産トラフグでは太刀打ちできない状況である。今後国産が生き残るためには安全、価格、外見、肉質、白子持ちが必須要素となると思われる。

3.ヒラメ
昨シーズン同様低調 年内出荷約250万尾
年内(9月~12月)のヒラメ稚魚の出荷尾数は昨年とほぼ同様の約250万尾であった。
年内ヒラメ種苗生産業者は昨年同様19社で年内出荷業者は12社と過去最低であった。このようにマーケットが縮小する中にもかかわらず、ここ数年人気のある長崎種苗には注文が殺到しており、このことは種苗生産業者の今後のあり方を示唆しているようである。ちなみに年内30万尾以上出荷した種苗業者は長崎種苗など4社であった。近畿大学は早期物の種苗生産は取りやめている。
稚魚出荷サイズは昨年同様7cmupが主流で浜値80~85円(運賃・税別)であった。1月中旬出荷分については原油の高騰を受けて昨年より5円高い浜値75円(運賃・税別)で販売される模様である。
四国の中間育成業者・養殖業者の廃業、及びヒラメからトラフグへの魚種変更等を考慮すると通年出荷量は昨年を下回るものと思われる。

4.シマアジ
各社とも順調な滑り出し
マリーンパレス、山崎技研などが11月から1ラウンド目を採卵し年末から沖出し中であり、他業者もそれに続く形で種苗生産中である。
昨年までは人気魚種だったシマアジも年末になり成魚浜値が1,200円/kg台と200~250円/kg下落し、種苗需要への影響が注目されるところである。
昨シーズンの出荷尾数は420万尾と報告したが、その時点で種苗場には別途在庫があり実際の養殖業者への出荷尾数は500万尾を越えたものと思われる。

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